温泉地の選び方
日本の温泉は大きく9つの泉質に分けられます。
それぞれ、おもな適応などの特徴がありますので、自分の体調に応じて参考にするとよいでしょう。
ただし、温泉地選びは周囲の環境も重要な要素です。
「景色がよい」「好きなことができる」「宿泊施設が好みに合う」など、そこでどう過ごしたいのかを基準に選ぶのも大切でしょう。
一般的に適している環境の目安は、海抜500~800m程度で森の多い場所。
気温や温度が安定していて、緑の癒し効果が期待できる自然豊かな場所とされています。
泉質とその特徴
単純温泉
日本で一番多い温泉。無色透明でほとんど無味無臭。身体への刺激が少なく、肌にもやさしいので高齢者にもおすすめです。
効能病後の回復期の療養や、外傷後の療養にも適しています。
炭酸水素塩泉
カルシウムイオンやマグネシウムイオンを含む重炭酸土類泉と炭酸水素ナトリウムを含む重曹泉の両方を指します。 重曹泉は、別名「美人の湯」といわれ、皮膚の表面を柔らかくする働きがり、入浴後に清涼感があるのも特徴です。 どちらも無色透明です。重炭酸土類泉の方は石鹸を使おうとしてもまったく泡立ちません。
効能肌を柔らかくし、なめらかにする効果があり、切り傷、火傷、慢性皮膚病にいいとされます。
二酸化炭酸泉
別名「泡の湯」。大量の炭酸ガスが含まれており、お湯に浸かると小さな泡が体につくのが特徴。
効能高血圧症、動脈硬化症、筋肉痛、関節痛などによいといわれます。
塩化物泉
別名「熱の湯」。なめると塩辛いのが特徴。肌についた塩分が体温の発散を防ぐため、保温効果に優れている。 海水と同じような食塩を含んでいる温泉で、日本では単純温泉の次に多い温泉です。
効能切り傷、やけど、慢性皮膚病、慢性婦人病、虚弱体質にいいとされます。
硫酸塩泉
別名「苦味泉」ともいわれ、飲用すると少し苦味がある。無色透明で、中風の湯、傷の湯などともいわれる。 血液に多くの酸素を送り込む作用があり、保温効果が高いのが特徴。
効能動脈硬化症、切り傷、やけど、慢性皮膚病 などにいいとされます。
含鉄泉
鉄錆のような赤褐色の色と匂いのある温泉で炭酸鉄泉と酸性が強い緑ばん泉の2種類があります。
効能鉄分を多く含んでいて、貧血や痔によいといわれています。ただし、強酸性のため乾燥肌の人には向きません。
☆含アルミニウム泉
旧泉質名で明礬泉で皮膚病に効能があるとされる。
効能慢性皮膚病に良いとされています。
☆含銅ー鉄泉
銅と鉄を含む温泉で炭酸水素塩系のものと硫酸塩系のものがあり、湯の色は黄色。これは、水中の金属分が空気に触れて酸化するため。
効能月経障害や高血圧症に良いとされています。
硫黄泉
古いタマゴのような独特の硫化水素ガスの匂いが特徴です。お湯は薄黄色や白色で硫黄型と硫化水素型に分けられる。 硫化水素によって金属が変色するため、入浴するときのアクセサリーや腕時計、めがねなどは禁物。
効能高血圧や動脈硬化症、リウマチなどに良いとされています。刺激の強い泉質なので、皮膚の弱い人や乾燥肌の人には向きません。
酸性泉
硫酸、塩酸を多く含む泉質で、殺菌効果が高い。 刺激の強いのが特徴で、お湯に浸かるとピリピリした刺激があるので肌の弱い人は注意が必要。
効能抗菌性が高いので、水虫、トリコモナス膣炎などに効果があるとされています。強い酸性がるので、高齢者や乾燥肌の人には向きません。
放射線泉
微量の放射能を含み「ラジウム泉」「ラドン泉」とも呼ばれています。 気体で体内に取り込まれますが、すぐに呼気とともに排出されるので心配ありません。
効能リラックス効果があり、痛風、糖尿、神経痛やリウマチによいといわれています。