温泉の効果
山や森、海と大自然に囲まれている日本は、世界的にみても希有な「温泉大国」です。
その数は2万8千余にものぼります。2位のイタリア(約300)を大きく引き離しています。
週末や連休の行楽地として定番の温泉ですが、その魅力はやはり心身ともに癒されることにあるといえます。
現代社会は何かと過剰なストレスがかかりやすく、そのために心身の不調を訴える人も少なくありません。
肩こりや腰痛といった慢性的な体の痛みや、不眠、イライラ、気分の落ち込みなど症状はさまざまな形で現れます。
温泉に行くことは、環境が変わることにより、気分転換にも役立ちます。
また、温泉に入るだけでなく、その土地の自然や文化に触れ、
食を楽しむといった非日常の環境で過ごすこと自体にストレス解消の効果があるのです。これを「転地効果」といいます。
過剰なストレスが無くなれば、体の免疫力やホルモン分泌系、自律神経系のバランスが整うと同時に心身の不調が緩和され、
人間本来備わっている自然治癒力がアップし、病気にかかりにくい体づくりにつながるのです。
湯治
昔の日本には「湯治」といって、農閑期や漁のない時期に1ヶ月ほどかけて温泉地で休養するという習慣がありました。
その土地でとれた旬の食材を味わい、「薬師様」と呼ばれる土地の神様へ毎日歩いてお参りし、
そこで出会った人とコミュニケーションをとることで日頃のストレスを解消し、健康を回復して農繁期や漁獲期に備えていたのです。
さらに遡れば、戦国時代の名将はみな温泉地を持っていたといわれますが、
これも戦争という大きなストレスを抱えた部下たちを温泉で癒し休ませることで、次の戦いへの英気を養うための場だったと考えられます。
足湯
近年増えてきた「足湯」は、足への水圧と温熱効果で足から心臓へ血液を押しだす機能が活発になり、全身がぽかぽかです。
手軽にできるのに足の疲れもよくとれます。
なにより、足湯はみんなで一緒に入れるのでコミュニケーションをとるのにもうってつけです。