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ダイエットが成功しないのは?

こうして、中年太りになっていく!

年齢とともに、同じ身長でも体重は重くなります。いわゆる中年太りで、標準体重より少し太りぎみになってきます。 これは、動物としては自然なことなのです。 人は生まれてから1歳までに身長は約1.5倍、体重は約3倍と、乳幼児にはものすごい勢いで大きくなります。 幼児期、学童期の伸び率はそれほどでもありませんが、思春期には、初潮や声変わりなどの第二次性徴の現れとともに身長、体重は急激に増加します。 現在の日本では、子供の肥満も大きな問題になっていますが、本来は、この思春期までの体が成長し続ける間というのは、いくら食べても太らないといってもいいくらい成長にエネルギーが使われているのです。 子供は活発に動き回るからということも確かにありますが、睡眠中のような安静時でも大人よりエネルギー消費率が高いのです。

基礎代謝基準値と基礎代謝量

男性 女性(妊婦、授乳婦を除く)
年齢(歳) 基礎代謝
基準値
(kcal/kg/日)
基準体重
(kg)
基準体重での
基礎代謝量
(kcal/日)
基礎代謝
基準値
(kcal/kg/日)
基準体重
(kg)
基準体重での
基礎代謝量
(kcal/日)
1~2 61.0 11.9 730 59.7 11.0 660
3~5 54.8 16.7 920 52.2 16.0 840
6~7 44.3 23.0 1020 41.9 21.6 910
8~9 40.8 28.0 1140 38.3 27.2 1040
10~11 37.4 35.5 1330 34.8 35.7 1240
12~14 31.0 50.0 1550 29.6 45.6 1350
15~17 27.0 58.3 1570 25.3 50.0 1270
18~29 24.0 63.5 1520 23.6 50.0 1180
30~49 22.3 68.0 1520 21.7 52.7 1140
50~69 21.5 64.0 1380 20.7 53.2 1100
70以上 21.5 57.2 1230 20.7 49.7 1030

厚生労働省:日本人の食事摂取基準

安静時の呼吸や新陳代謝などに用いられるエネルギーを基礎代謝といいます。 1日当たり、体重1キロ当たりの基礎代謝量は男女とも1歳の約60KCAL/kg/日)を最高に徐々に低下します。 また、基礎代謝量は、女性の方が男性より低下がやや早く、20歳で約24、40歳以上では約21となり、それ以降の減少はわずかです。 体重50kgの女性が1日中横になって安静にしていて消費するエネルギーは、20歳では1180KCALに対して40歳では1040KCALとなります。 つまり、40歳を過ぎると1日に140KCAL、ご飯にして100g(小さめの茶碗軽く1膳分)を減らさないとその分太ることになるのです。 わずかな差に見えますが、若い頃と食べる量が変わらないとすると、この基礎代謝の低下だけ1年で約5.5万KCALがだぶつき、これがすべて体脂肪に変わってしまいます。

15~69歳における各身体活動レベルの活動内容

身体活動レベル1 低い(I) ふつう(II) 高い(III)
1.50
(1.40~1.60)
1.75
(1.60~1.90)
2.00
(1.90~2.20)
日常生活の内容 生活の大部分が座位で、静的な活動が中心の場合 座位中心の仕事だが、職場内での移動や立位での作業・接客等、あるいは通勤・買物・家事、軽いスポーツ等のいずれかを含む場合 移動や立位の多い仕事への従事者。あるいは、スポーツなど余暇における活発な運動習慣をもっている場合
個々の活動の分類(時間/日)2 睡眠(1.0) 8 7~8 7
座位または立位の静的な活動
(1.5: 1.1~1.9)
13~14 11~12 10
ゆっくりした歩行や家事など低強度の活動
(2.5: 2.0~2.9)
1~2 3 3~4
長時間持続可能な運動・労働など中強度の活動(普通歩行を含む)
(4.5: 3.0~5.9)
1 2 3
頻繁に休みが必要な運動・労働など高強度の活動
(7.0: 6.0以上)
0 0 0~1

厚生労働省:日本人の食事摂取基準

*1 代表値。( )内はおよその範囲。

*2 ( )内は、activity factor(Af:各身体活動における単位時間当たりの強度を示す値。基礎代謝の倍数で表す)(代表値:下限~上限)。

成人では、推定エネルギー必要量=基礎代謝量(kcal/日)×身体活動レベル として算定されます。
18~69歳では、身体活動レベルはそれぞれI=1.50、II=1.75、III=2.00ですが、
70歳以上では、それぞれI=1.30、II=1.50、III=1.70とされるのです。

1日に必要なエネルギー量を計算するときに「生活活動強度」という目安があります。
女性の多くは、中高年になると活動に使われるエネルギーも若い頃より減ってしまいます。
積極的に運動をしていない人でも学生の間は通学や体育の授業で、社会に出てからは、通勤、仕事や子育てでエネルギーを使っています。
Ⅰ低い、Ⅱやや低い、Ⅲ適度、Ⅳ高いの4段階のうち、若い頃の女性は、ほとんど「やや低い」に該当します。
しかし、妊娠中や中年以降は、「低い」になってしまうのです。
さらに活動強度が下がると基礎代謝率もさらに低くなります。

生活活動強度の区分(目安)

生活活動強度と指数(基礎代謝量の倍数) 日常生活活動の例 日常生活の内容
生活動作 時 間
I(低い)1.3 安 静 12 散歩、買物など比較的ゆっくりした1時間程度の歩行のほか大部分は座位での読書、勉強、談話、また座位や横になってのテレビ、音楽鑑賞などをしている場合。
立 つ 11
歩 く
速 歩
筋運動
II (やや低い)1.5 安 静 10 通勤、仕事などで2時間程度の歩行や乗車接客、家事等立位での業務が比較的多いほか大部分は座位での事務、談話などをしている場合。
立 つ
歩 く
速 歩
筋運動
III(適 度) 1.7 安 静 生活活動強度II(やや低い)の者が1日1時間程度は速歩やサイクリングなど比較的強い身体活動を行っている場合や、大部分は立位での作業であるが1時間程度は農作業、漁業などの比較的強い作業に従事している場合。
立 つ
歩 く
速 歩
筋運動
IV(高い)1.9 安 静 1日のうち1時間程度は激しいトレーニングや木材の運搬、農繁期の農耕作業などのような強い作業に従事している場合。
立 つ
歩 く
速 歩
筋運動

厚生労働省:日本人の食事摂取基準

注)生活活動強度II(やや低い)は、現在国民の大部分が該当するものである。
生活活動強度III (適度)は、国民が健康人として望ましいエネルギー消費をして、活発な生活行動をしている場合
であり、国民の望ましい目標とするものである。

日常的な活動が低いか、やや低いかで1日のエネルギー消費量は160KCALくらい違ってきます。
基礎代謝の低下とあわせて単純計算では、体重は、1年で15kg増という恐ろしいことになってしまうのです。
さらに活動強度が下がると基礎代謝率もさらに低くなります。
基礎代謝は落ちるのに、より動かなくなるでは、年とともに太るのは当たり前です。
意識的にエネルギーの出入りを変えていかない限り中年太りは起こります。